マイベスト寿司コースを考えた

カテゴリ: 寿司
エリア: 理想のコース
訪問日: 2026/3/21
寿司おまかせ江戸前理想

自分だけの「最高の一夜」を組み立てる

名店のおまかせに感動するたびに、ふと考える。「もし自分でコースを組むなら?」そんな妄想を、今日は本気でやってみた。握りと一品、それぞれに理由がある。


一品

コースの骨格をつくる、3皿。

白子

ぽん酢でさっと。冬のカウンターで最初に出てきたら、それだけでその夜に期待してしまう。とろりとした濃厚さと、きれいな塩味が酒を呼ぶ。

肝ソースで蒸し鮑を。噛むたびに磯の香りが広がり、旨みが積み重なる。江戸前の技術が最も映える一品のひとつ。

玉子

コースの締めくくりに。カステラのように甘く、しっとりした玉子焼きは、職人の腕が丸見えになる仕事。シャリと合わせても、単体でも。


握り

12貫、全部に意味がある。

しまあじ

白身から始める。上品な甘みと、ほのかな脂。まず舌を澄ませるところから。

金目鯛(あぶり)

皮目をさっとあぶる。脂が香ばしく溶け出して、身の甘さが際立つ。白身でありながら、少し表情が変わる。

マグロ(赤身)

白身の次は赤身へ。漬けにしてもよいが、今日はストレートに。滋味深い赤身の力強さを正面から受け止める。

中トロ

赤身から脂へ、自然な流れで。大トロより好きかもしれない。脂が甘く、でも赤身の力強さも残っている。このバランスが好きだ。

サーモン

王道。脂の甘みと、なめらかな舌触り。「サーモンはどこでも食べられる」と言う人もいるが、良いシャリと合わさったサーモンは別物だ。

赤貝

ここから貝へ。コリコリとした歯応えと、鮮烈な磯の香り。鮮度が全てを決める貝。良い赤貝に当たった日は、それだけで記憶に残る。

ホタテ

甘い。ただただ甘い。肉厚なホタテをそのまま乗せてほしい。素材が良ければ余計な仕事は要らない。

ボタンえび

甘えびではなくボタンえび。ねっとりとした甘み、弾力、濃厚な旨み。頭の味噌も欲しいくらい。

煮蛤

江戸前の仕事の粋。ツメをまとった蛤は、甘さと深みが同居している。これを食べると「江戸前で良かった」と思う。

ウニ

軍艦か、手巻きか。どちらでも良い。ただ、塩水ウニで。甘みと苦みと磯の香りが混然一体となる瞬間。

イクラ

ウニの後にイクラ。ぷちぷちとはじける旨みと、少しの塩気。濃厚なものが続くが、この流れが好きだ。

穴子

最後は穴子で。ふわとろの煮穴子に、ツメをたっぷり。口の中でほどけるように消えていく。これをもって握りの締めとしたい。


コース全体を振り返って

一品3皿・握り12貫。我ながら、かなり欲張ったコースになった。白身から始まり、脂もの、貝、濃厚な軍艦と続き、穴子で締める。江戸前の仕事あり、素材勝負あり、脂あり、磯あり。

妄想ではあるけれど、これに近いコースに出会えた日には、迷わず満点をつけると思う。